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なぜ、デジタルトランスフォーメーション(DX)が必要なのか?

コロナ禍で従来のビジネスモデルの変革が求められる中、ますますデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の重要性が増しています。

今回のコラムでは、日本におけるDXの実現を阻む課題や海外における成功事例。また、DX促進を目的とした近年の取組や、ニューノーマル時代にDXが必要とされる理由について説明します。

DXとは

DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語です。その定義は様々ですが、「トランスフォーメーション」とある通り、デジタル技術を活用して従来のビジネス手段やビジネルモデルの変革を実現することがDXであり、それによってビジネス上の競争優位を獲得することがDXの目的といえます。

2018年9月に経済産業省が発表したDXレポートで、日本企業がDXを実現できず、国際競争の敗者となれば、2025年には最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警告しています。ただし、その重要性は理解されているものの、実際にDXに成功しているのは未だ少数なのが現状です。

DX実現を阻む課題

2018年にマッキンゼー・アンド・カンパニーが実施した調査では、DXにより企業のパフォーマンス向上に成功し、また、その成功を長期的に維持できたと回答した企業は、わずか16%でした。特に自動車や石油・ガス、インフラ、製薬といったセクターでは、成功率は4~11%にまで低下します。企業のパフォーマンスを向上させる手段としてのDXを実現することがいかに困難かを示す結果でした。また同調査では、経営者のコミットメントや理解度、企業文化、デジタル人財の不足といった要因が、課題として挙げられています。

企業文化や人財といった課題に加えて、日本においては、システムの老朽化、ブラックボックス化という課題があります。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)による調査では、約7割の企業が、老朽化や、肥大化・複雑化、ブラックボックス化により「レガシーシステム」と化したITシステムが、自社のデジタル化の足かせになっていると回答しています。

その結果、日本においては、IT投資の多くが老朽化したシステムの管理や業務効率化といった、言わば「守りのIT投資」に振り向けられており、米国と比較すると新たな付加価値を生むような「攻めのIT投資」が少ないという点も、日本のDX実現に向けた課題といえるでしょう。

ニューノーマル時代におけるDXの重要性

こうしたIT投資の質の違いやDXへの取組の格差が、コロナ禍での企業の業績に大きな影響を与えています。日本では、新型コロナウイルスによる死者数は低いものの、1~3月期の大手企業の純利益は78%減となりました。一方、感染者数や死者数が日本よりもはるかに多い米国では、同時期の純利益減は36%に留まっています。こうした格差が生じた背景には、市場環境の変化に合わせて従業員を解雇しにくいという日本の労働市場の特性だけでなく、DXへの取組レベルの違いがあります。

「攻めのIT投資」に積極的な米国では、多くの企業が、コロナ禍で非対面・非接触が求められる中でも業績を維持、あるいは拡大する仕組みを構築できていたということです。映画館やテーマパークが閉鎖となって打撃を受けたウォルト・ディズニーが、サブスクリプション型の動画配信サービスの積極展開により損失を抑えることに成功したのはその一例です。

また、金融サービス業においてもコロナ禍でデジタル化が一気に進展しています。例えば、資産額で米国3位のウェルズ・ファーゴは、モバイル端末を使った小切手決済を優遇するなどのデジタルサービスの拡充と支店の削減により、100億ドルのコスト削減を目指しています。

生き残るための手段としてのDX

日本では、2020年9月に発足した菅内閣の政策としてデジタル庁の創設が打ち出されるなど、コロナ禍の社会全体のDXを加速する好機として、データ利活用を進めていく動きが進んでいます。自社のDXへの取り組みの現状を自己診断するための「デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)」の策定や、各企業が目指すべきデジタルガバナンスのあるべき姿を示し、それに向けた達成状況を可視化するための「デジタルガバナンス・コード」の発行など、民間企業のDXを支援する制度が整いつつあります。

業界別の取組としても、中小企業のAI導入の推進(経済産業省)やスマート農業の社会実装(農林水産省)、3次元コンピュータモデルの利用などによる、建設生産システムの生産性向上(国土交通省)など、業界別のDX支援策も実施されています。

ニューノーマル時代においては、非対面・非接触でも成立するビジネスモデルを構築することが必須であり、そのための手段としてのDXは、企業の生き残りにとって欠かせないものです。企業にとってDXとは、やるかやらないかではなく、どのように実現するかを検討すべき課題であるといえるでしょう。

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