
ERP導入失敗とは? ERP導入失敗が起きる原因とその対応策についてポイントを交えてご紹介
DX推進に向けて、ERPのニーズが高まっている一方で、ERP導入に失敗する企業が後を絶ちません。
本コラムでは、ERP導入の失敗とは何か。そして失敗が起こる代表的な原因を分かりやすくご紹介します。ぜひERPを自社に導入する際のご参考にしてください。
ERP(統合基幹業務システム)とは
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の頭文字からとった略語で、直訳すると「企業資源計画」です。最近では、統合基幹業務システムなどといったシステムを指すことが多いです。
ERPは、企業の基幹となる業務、具体的には「会計業務」、「人事業務」、「生産業務」、「物流業務」、「販売業務」などをシステムを通じて統合します。
この統合により情報の一元化を図れ、迅速な経営判断を可能にします。これらのシステムは、企業規模に関わらず多くの企業で導入され、現代における企業経営に欠かせないものとなっています。
ERP導入における成功とは
ERP導入における成功例としては、以下が挙げられます。
- 期待した品質でシステム構築され、導入費用が予算範囲内に収まり、計画どおりに納品
- ERP導入によって、今まで多くの時間を割いていた業務処理に掛かる時間を短縮化、省力化。そして、業務効率の迅速化を実現
- ERP導入を通じて、企業が抱える業務課題の改善
一方で、ERP導入に失敗してしまうケースもあります。次のセクションでは、ERP導入における失敗について解説します。
ERP導入における失敗とは
ERPへのニーズが高まっている一方で、導入に失敗する企業が後を絶ちません。例えば、以下が挙げられます。
- 機能開発の期間が延びて、コストが想定以上に膨らむ
- 現場社員の抵抗により、既存の業務プロセスをそのまま継続し、業務改革ができない
- ERP導入により業務改革が成功したとしても、ERPで処理されるリアルタイムのデジタルデータをうまく利活用できない
- デジタルデータの利活用ができず、今までどおりの経営を継続。結果、ERPが持つメリットを十分に活かせない
- ERP導入後のシステム運用・保守のコストが高く、経営を圧迫
それでは、なぜERP導入に失敗するのか。その原因を次のセクションで解説します。
ERP導入に失敗する原因
ERP導入が失敗する代表的な原因として、以下が挙げられます。
組織や現場ごとに運用範囲をしっかりと定めないままERP導入を進めてしまうと、責任の所在が不明確になります。
結果、現場が機能不全に陥り、導入に失敗する確率が高まります。
社内担当者が十分な情報を持っておらず、自社に合ったベンダーやパートナーを選べない
ERPの導入を成功させるためには、外部ベンダーの力が必要不可欠です。
しかし、ベンダーに過度に依存せずに、社内の責任者・担当者がリーダーシップを発揮が求められます。
もしベンダー主導でERP導入プロジェクトが進んだ場合、責任者・担当者がプロジェクトを十分にリード、そしてコントロールできない状態に陥ります。このようなプロジェクト運営は、避けなくてはなりません。
業務改善とシステム運用が切り離されている
ERPを導入する際は、業務改善とシステム運用の両方を重視する必要があります。
もしERP導入ベンダーがSI企業やシステムベンダーの場合、彼らにとってはシステム導入・開発が主な仕事です。したがって、業務改善は対応範囲外となる場合があります。
ERP導入だけでは、業務改善を実現できるとは言えません。
プロジェクトの求心力が低い
ERP導入は、企業にとって大掛かりなプロジェクトです。
ERP導入を失敗させないためには、求心力のあるリーダーの存在が必要不可欠です。導入プロジェクトには、ステークホルダーを巻き込み、プロジェクトを進めていくことが成功につながります。
現場から大きな抵抗を受ける
社内でERP導入の必要性を十分に説明ができなかったことで、現場社員が社内情報部門や経営層と対立、あるいは面従腹背になる場合があります。こういった状態では、スムーズなERP導入は困難と言えます。
ERP導入を成功させるポイントとは
前セクションでは、ERP導入が失敗する代表的な原因を解説しました。ここでは、ERP導入を成功させるポイントをご紹介します。
自社課題の明確化を図る
まずは、自社課題の明確化を図ることです。
自社の課題がどこにあるのかを事前に把握し、導入目的を明確にすることが、過不足のない自社の業務効率を最大化したシステムの導入につながります。
業務とシステムのありたい姿を整理し、明確化
ERP導入の前段階から、業務とシステムのありたい姿を整理し、明確化することも重要なポイントです。
もし導入の目的やゴールが明確になっていない場合、適切なERPの選定ができません。加えて、適切な要件定義ができず、ERP導入プロジェクトの根幹にかかわる部分で正しい判断が行えません。
ベンダーやパートナーに依存しない体制作り
続いて、ベンダーやパートナーに依存しない体制作りです。
ERP導入失敗の原因にも挙げた通り、ベンダーやパートナーへの依存度が高い状態は、さまざまな弊害を引き起こします。
自社の業務内容を最も把握しているのは導入企業自身です。ベンダーやパートナーは、あくまでもERP導入をサポートする存在です。自社の人材で、ERP製品への理解を深め、運用していくことが最も大事です。
プロジェクトチームの体制を整える
プロジェクトチームの体制を整えることも、導入成功のためには欠かせません。
多くのERP導入プロジェクトにおいて、社内でプロジェクトメンバーが選定され、プロジェクトを進めます。
一般的に、ERP導入プロジェクトには、「プロジェクト責任者」、「プロジェクトリーダー」、「ERPのモジュール(各機能)の担当者」がアサインされます。
役割 | 担当内容 |
プロジェクト責任者 | 社内外に対してプロジェクトの責任を持ち、全体進捗に関する全体管理や急な変更対応など実施します。 |
プロジェクトリーダー | プロジェクトの中心となり、社内のERPモジュール担当者やベンダーとの連絡調整を行い、プロジェクトを推進します。 |
ERPモジュール(各機能)の担当者 | ERPモジュール担当者の選定基準は、主にERPのモジュールを起点に担当者がアサインされます。 また、自社の部署を起点に、ERPを浸透させていくための責任者がアサインされるケースもあります。 後者の場合、アサインされる担当者は部署の業務の責任者でありつつ、ERPの仕様や運用を決め、ERPを部署に浸透させる役割を担います。 |
現場への浸透
ERP導入は、長い導入準備期間を要する上、導入後は業務の進め方や利用するシステムが大きく変わります。この大きな変更は、現場社員にとって大きな負担になります。
そのためERP導入による業務改革およびシステム改革を、現場に腹落ちさせることが大切です。
入念に準備をして、適合性の高いERPを導入できたとしても、システム稼働後にはさまざまな問題点が浮き彫りになることが多くあります。システム運用後、問題が判明する度に、業務プロセスや管理体制を見直し、検証する必要があります。
加えて、ERPを最適に近い状態で運用できているか、定期的にチェックし、継続的な改善を行うことが大切です。
まとめ
ERPは、企業の生産・販売・在庫などを一元で管理できる、企業活動の土台となるシステムです。このシステム導入により、企業の業務効率向上やさらなる企業成長に大きく寄与します。
ERPの導入を成功させるためには、導入前から現場を含めた社員が一丸となって準備を進めることが大切です。
導入の際は自社の課題を解決し、さらなる成長が期待できるシステムを選びましょう。
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