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SAP ERPのサポート終了とニューノーマル時代を見据えて

SAP社のERP製品「SAP ERP 6.0」の標準サポートが、2027年に終了します。

今回のコラムでは、SAP ERP 6.0のサポート終了に伴うユーザーが考える今後の選択肢のご紹介。そして、SAP社が提供する次世代ERP「SAP S/4HANA」へ移行とその移行手法とその特徴。加えて、SAP S/4HANAへの移行によって実現できるデジタルトランスフォーメーション(以下 DX)について分かり易くご紹介します。

SAPユーザーにとっての「2027年問題」

SAP社ERP製品「SAP ERP 6.0」、また同製品を同梱した「SAP Business Suite」などの標準サポートが2027年に終了します。当初、標準サポート期限が2025年末だったことから「SAP 2025年問題」と呼ばれていました。しかし、その期限が2020年2月から2027年末へ変更になったため「2027年問題」と呼ばれています。これらの製品を利用しているSAPユーザーは、2027年末までに下記にいずれかを選択しなければなりません。

  • 現在利用している製品を標準サポートなしで継続する
  • 他社のERP製品に切り替える
  • SAP S/4HANAに移行する

また「その他」の方法もあります。それは、2%の延長保守料を支払うことで、保守期限を2030年末まで延長すること。これは、SAPユーザーにとっては、検討期間が延びたことになります。

ただし、2027年までの延長対象は、エンハンストパッケージ(EHP)6以降が適用されているERP 6.0のみです。したがって、それ以前のバージョンについては2025年でサポートが終了します。そのため、EHP5を利用しているERP 6.0ユーザーが、2027年まで(あるいは延長保守料を支払って2030年まで)サポートを受けるためには、EHP6への更新が必要です。

それでは、SAPユーザーが考えるべきオプションについて考えてみましょう。

デフォ見出し

現在利用している製品を標準サポートなしで継続

メリット

SAP ERP 6.0やSAP Business Suiteの利用を継続する場合、2027年末に終了するのはメインストリームサポートです。したがって、セキュリティプログラムは継続して更新されます。よって、2028年以降もこれらの製品を使い続けることは可能です。

デメリット

新たな機能が追加されることはありません。そして万が一、システム障害が発生した場合には、業務が停止するリスクを負うこととなります。

他社のERP製品に切り替える

メリット

最新のERPシステムの中から自社に合うシステムを採用できるという点。

デメリット

ゼロからシステムを構築することになるため、多額の費用負担や、長期間の準備が必要です。

SAP S/4HANAに移行する

SAP社が推奨しているのが、このオプションです。SAP社が提供する次世代ERPであるSAP S/4HANAに移行することで、以下のメリットを享受できます。

  1. インメモリデータベースを活用した高速処理
  2. 肥大化してしまったシステムのスリム化
  3. それに伴う運用管理コストの低減
  • では、既存のSAP ERPからSAP S/4HANAへの移行方法を考えてみましょう。

    SAP S/4HANAへの移行方法は、大きく3つに分けられます。それは、「Brown Field」、「Green Field」、「BLUEFIELD」です。それぞれ、システムのカスタマイズの必要性やクラウド利用の等に対する自社の方針を踏まえ、適切な移行アプローチを採用する必要があります。では、その3つの特徴について詳しく見てゆきましょう。

SAP S/4HANAへ移行をする3つの方法

Brown Field(コンバージョン方式)

既存のERPシステムの設定やシステム要件はそのままで、SAP S/4HANAに合わせたデータ構造の変換を行います。カスタマイズも引き継ぐことができ、現場への影響を最小限に抑えることが可能です。しかし、現行業務の見直しが行われず、負の資産も引き継がれるため、SAP S/4HANAが提供する様々な機能やサービスのメリットを十分に享受できない可能性があります。

Green Field(リビルド方式)

新規にSAP S/4HANAへシステムを構築する方法です。システムの構築と同時に、SAPソリューションのスタンダードに合わせる形で業務プロセスの見直し・刷新を行います。したがって「Brown Field」と異なり、SAP S/4HANAの最新の機能・サービスを全面的に活用することが可能です。

一方で、新たにシステムを作り直すという工程の性格上、業務への影響は大きく、費用や移行にかかる時間も大きくなります。

BLUEFIELD

上記の2つの手法のほかに、独SNP社のツールを使用するがあります。これは、データとシステムを分離し、システムを先にSAP S/4HANA化します。

その後、業務に必要なデータを選択的かつ段階的に移行します。差分管理機能を活用して、データ部分を複数回に分けて移行させる手法を用いて、システムのダウンタイムをほぼゼロに抑えながら、SAP S/4HANAへの移行を実現できることが特徴です。SNP社によれば、「BLUEFIELD」を採用することで移行に必要な時間を1/4に削減することが可能です。

移行をDXのきっかけに

SAP社は、SAP S/4HANAを、企業のDXを実現するITソリューション群の中核をなす「デジタルコア」と位置づけています。様々な業務アプリケーションとAIやIoT、アナリティクスなどの最新デジタルテクノロジーが融合し、インテリジェントエンタープライズを実現するための中核となるのがこのSAP S/4HANAです。

SAP S/4HANAに移行するかどうか。移行手法をどうするかについては、自社の業務の状況や今後の見通し、そしてDX化の目的や費用を十分に考慮した上で決定する必要があります。

しかし、企業のDXが今まで以上に求められるニューノーマルの時代においては、SAP S/4HANAへの移行を通じて、レガシーのアプリケーションを刷新。その刷新を通じて、リアルタイムなデータの一元管理、経営の全体最適を実現するための契機と捉えることが重要です。

また、SAP社では、SAP ERP6.0の使用状況から、SAP S/4HANAへの移行をした際に得られるメリットを診断する無料サービス(Business Scenario Recommendation)も提供しています。

ぜひSAP S/4HANAの価値を最大化し、DXを実現するために検討を始めましょう。

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